教育研究

「ESDの理念にもとづく学校づくり」構想図

私たちは、子どもたちが未来を創造的に地球規模で考え、なかまや地域とのつながり感をもって行動できる(Think Globally, Act Locally)自信と教養(知力)を身につけることを目的に、UNESCOが提唱するESD(Education for Sustainable Development;持続可能な開発のための教育)の考え方に立って学校づくりにとりくみ始めました。
ESDとは、今日地球規模でおこってきている私たちの将来を先行き不透明なものにしている現実に対して、私たちが生きている場の歴史から深く学び(共感)、その風土とのいのちのつながりを確かめ(共生)、ESDの実現のために自分の現在と未来をなかまとの協同によって創造していこうとする(共創)行動指針といえます。
また、附属中学生が地球市民として育つために、ASP校との交流は不可欠であり、多文化理解のためのコミュニケーションスキルを身につけていく実践的機会を見出していきたいと考えています。

本プロジェクトでは、21世紀を生きる人間の資質として、「地球規模の視野で考え、地域で実践できる」力量をもって、持続可能な社会の実現に向けて共感的・協同的な暮らし・生き方が出来る人間を育てることを目的としています。
そのために、教科実践ならびに教科外活動でのESDの価値観の形成は、以下の2点をその教育効果として期待しています。

1.共創的なコミュニケーションスキルの獲得

「持続可能な社会」を実現するため自分(達)が今生きている世界へ「参加・行動」するべく自らをESDの価値観にひらいていける対話能力の獲得へ導いていける協同の学習場づくりを普段の教科学習から意識的に積み上げていきます。また、ASP校として異文化世界との交流を行うにあたって、ICTの活用を「平和の文化」を創造していく発信能力として獲得させたい。そのために、海外ASP校との直接的な交流も視野に入れています。

2.地域資源から深く学ぶ方法論の獲得

地球規模で考えなければ解決できない危機に対して、知識としてあるいは感覚的に危機状況を理解しているといっても、それらの危機と自分とのつながりは見ようとしなければ見えてはこない問題の深さがあります。見えないものと自分とのつながりをどのような方法によって獲得するのか。本校では、四半世紀にわたる臨海実習など校外学習でのフィールドワークの蓄積があります。そこではウエビングやインタビューの技法、統計的な解析方法などが学ばれます。それは、地域資源を通した具体的な「問い」のたて方と共に、問題の核心への迫り方、分析の視点を実感と納得をともなうかたちで体験される。教科学習で学ばれた「知識」が問題解決の「知」へと、課題へのはたらきかけを通して自分と世界のつながりや関わり方が見えてきます。21世紀を自律した地球市民として生きていく、世界観の獲得を期待します。

3.協同で創り上げていく達成感の獲得

私たちは活動の記録をまとめるという作業を伝統的に大切にしてきました。そのひとつが、学年文集です。文集は主に特別活動の記録によって構成される。伝統文化との交流の記録、生業の現場での聞き取りの記録、歴史的な遺産(世界遺産)や背負わされた受苦(沖縄)への共感の記録を、フィールドワークした地域へのささやかなエコミュージアムとして還元していけるよう文集を位置づけたいと考えています。私たちの学びの成果は、地域との交流や協同の実現によって、より自分(たち)の生き方への確信となるでしょう。
他方で、「文化の集い」「平和の集い」など生徒たちの創意と工夫による意見表明の場を保障してきた歴史があります。創造的・協同的に3年間をスパイラルに学びを重ねているという実感を大切にしています。

「ESDの理念にもどづく学校づくり」〜奈良教育大学付属中学校〜